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12月25日、朝

「サンタさんって本当にいるの?」



たぶん、子どもに聞かれて困る質問ランキング上位の質問だろう。

我が家の息子からも突然同じことを聞かれた。



年齢的にそろそろサンタクロースからも卒業だが、さて、どう答えたものか。



「サンタさんはいるよ。正確に言うと昔はいた、というのが正しいかな」

とりあえずこう切り出してみた。



そう、サンタさんと会った事がある人は多分いないんじゃないかな。


昔は本当にサンタさんがプレゼントを配ってたみたいだけど、今はもう配ってないと思う。


プレゼントを欲しがる子どもが世界中に増えて、サンタさん一人では手が回らないの。


おじいさんが夜中に一人で世界中を回るのは大変だからね。



でもね、サンタさんの意思を受け継いだ人は世界中にいるんだよ。



おもちゃ工場の人たち、おもちゃを運ぶトラックの運転手さん、おもちゃ屋の店員さん、


そして、寝ている子どもの枕元にプレゼントを置くお父さんやお母さん。



みんなサンタさんと同じように、子どもたちの笑顔のためにプレゼントを用意してるの。


だから、あなたが大人になって結婚して子どもが生まれたら、


あなたも自分の子どものためにサンタクロースになってあげてね。




こんな話をしてあげた。



息子は「ふーん」と、納得したかどうか分からない顔をしていた。





そんな話をしたのが3年前。




あれからサンタクロースは我が家に来ていない。


サンタ役をやらせてもらった10年間、12月25日の朝は一年で一番幸せな朝だった。





そんな幸せな朝を忘れかけた今年のクリスマス、我が家にサンタクロースが帰って来た。


25日の朝、目が覚めると私の枕元にプレゼントが置かれていた。





「えっ?」と思って開けてみると、立派な万年筆と「昇進おめでとう」の


メッセージカードが入っていた。



そういえばここ三ヶ月くらい、息子はお小遣いを一生懸命貯金していたようだった。




2022年、息子のサンタクロースデビューは上々だ。


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